
舞台「黒部の太陽」製作発表
これまでビデオ・DVD化されてこなかった石原裕次郎の伝説の映画『黒部の太陽』が、今秋舞台化される。その製作発表が5月23日に大阪市内で行われ、主演の中村獅童を始め、神田正輝、大地康雄、勝野洋、月影瞳のほか、脚本・演出の佐々部清らが出席した。
世紀の難工事と言われた黒部ダム建設工事の苦闘を描いた本作は、他映画会社との交流を禁じた“五社協定”というハードルや、莫大な制作費用など数々の困難を乗り越えて創られ、当時の邦画史上最高となる観客動員数と興行収入を記録した。舞台版では、黒部ダム建設工事に立ち会った男たちの物語と、そういった熱い想いで映画化に挑んだ男たちの物語を交錯させたものになるという。
今回が初舞台演出となる佐々部清は「今は不安しかないが、ひとりでも多くの人を感動できるような舞台にしたい」と意気込んだ。15~20トンの水を一瞬にして流す演出については「本物の水が使えないならこの話は断っていた。見てのお楽しみですね。お客さんを濡らすことはしませんが、何らかの形で巻き込むことができたら」と語るほか「スクリーンを使用して映画とのコラボにも挑戦したい」と話すように、映画監督ならではの発想も見られそうだ。
石原裕次郎が演じた建設会社の技師・岩岡剛と映画化に燃えた石原裕次郎本人の二役を演じる中村獅童は、「裕次郎さんのことは『太陽にほえろ!』や『西部警察』時代によく見ていました。まさか自分が裕次郎さんの役をやらせて頂けるとは思いませんでしたが、裕次郎さんが熱い魂をかけて映画化した作品。その魂を引き継いで体当たりで演じたい」と役柄に対しての熱い思いを語り、「役者というのは出会い。今回こういった作品に出会ったことで、また新たな経験をさせて頂けることは本当に光栄なこと。まっさらな気持ちで臨みたい」と抱負を述べた。
また三船敏郎が演じた関西電力の北川覚と三船敏郎本人を演じる神田正輝は本作の舞台化に対して「この話を聞いたときに、果たして舞台でできるのかと思いましたが、ほかの出演者やスタッフに期待して預けようと思った。皆と話し合いながら頑張りたい」と語り、自身の役柄へは「映像などを見て参考にしようとは思わない。三船さんが演じた役をやる…というのではなく、舞台の上で新たな役をやっているという気持ちでやります」と意気込んだ。
本公演は、10月5日(日)~26日(日)まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。チケットは6月28日(土)より一般発売を開始。@電子チケットぴあでは一般発売に先駆け、抽選先行“いち早プレリザーブ”を5月28日(水)11時まで受付中。
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