
芸術広場を訪れた君塚良一監督
小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕された、ごく平凡な船村家の長男の少年。その家族の保護を命じられた刑事が、保護マニュアルにのっとり、両親と離して保護することになった娘を、マスコミや世間の目から守るため、一緒に逃避行することに。だが、マスコミや世間はそのふたりを追いかけ、インターネットではふたりを追う書き込みまで始まる…。佐藤浩市が刑事・勝浦を、志田未来が保護される娘を、そして『踊る大捜査線』シリーズの脚本や『容疑者 室井慎次』の監督・脚本を手掛けた君塚良一が監督・脚本を務める来年1月24日公開の映画『誰も守ってくれない』。本作が、8月21日から開催されているカナダ・モントリール世界映画祭のコンペティション部門に出品され、8月31日(現地時間)に上映後、現地の観客やジャーナリストらから絶賛された。
819席の会場はほぼ満席。上映前に開催された舞台あいさつには、君塚監督が登壇し、「この映画は今の日本という国が抱えている問題を描いている。少年犯罪や家族の崩壊。ネットやマスコミの暴走。ひとつの事件が起こった時、その裏で何が起きているかということを10年に渡って取材し、この作品を作った」と本作に込めた思いを語った。その思いを受け取ったかのように、上映後には盛大な拍手が沸き起こった。観客は、本作で描かれた、容疑者家族がマスコミや世間やインターネットに追い詰められる状況に驚き、「今の日本社会の知らない部分を知った」という声も挙がっていた。また、上映後の記者会見では、本作についての質問が飛び交い、本作への関心の高さが現れた結果となった。
モントリオール世界映画祭では、1983年に佐藤の父である三國連太郎も主演作『未完の対局』でグランプリを受賞。親子でのグランプリ受賞となるか? その結果に期待が高まる。
『誰も守ってくれない』
2009年1月24日(土)全国東宝系にて公開
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