
(左から)麻生久美子、北野武、樋口可南子、柳憂怜
北野武監督最新作『アキレスと亀』の完成披露試写会が11日、都内で行われ、北野監督のほか、樋口可南子、麻生久美子、柳憂怜が舞台あいさつを行った。
監督14作目となる今作は、かなわぬ夢を追い続ける画家と彼を支え続ける妻の数十年にわたる愛の物語。北野監督は「うちの事務所は『TAKESHIS'』で傾き、『監督・ばんざい!』でおかしくなって、山本モナ(の不祥事)で完全に終わった。この『アキレスと亀』で借金を返して立て直したい」と自虐的なコメントをし、「日本の親は(子どもに対して)好きな仕事に就けと言うけど、その仕事で出世してお金をもうけろとも言っているような気がする。でも本当は好きな仕事で食えれば十分じゃないかと。そして芸術は麻薬だから、友達やかみさんが巻き込まれてひどい目に遭うという話です」と作品を解説した。
また、樋口とともに出席したヴェネチア国際映画祭を振り返り、「(1997年に金獅子賞を受賞した)『HANA-BI』の時と同じくらい盛り上がったので、賞がとれるかもと思っていたら、その3日後に『(崖の上の)ポニョ』という憎たらしいアニメが大評価されて。結果的にはミッキー・ローク(主演の『ザ・レスラー』)が(金獅子賞を)持っていきやがった。ホントに腹立たしい」と嘆き、さらに「『ポニョ』は観客賞なのに、オレは白い杖賞(イタリアの映画誌が選ぶパストーネ・ビアンコ賞)かよ。リタイアしろってことか? 当て付けのようで嫌な気持ち」と毒舌まじりのジョークで、会場を沸かせた。
しまいには、満員の客席に向かって「皆さまは特別招待ですから。特別招待とはタダということ。いろんな雑誌に『たけしは海外での評価は高いけど日本ではダメ』って書かれて、涙も枯れ果てた状態になってるので、ぜひ2回3回と見に来てください」と懇願した。
『アキレスと亀』
9月20日(土)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
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