
「不安だった」と語る福田麻由子
長瀬智也が『真夜中の弥次さん喜多さん』以来、4年ぶりに主演を務めた映画『ヘブンズ・ドア』の完成披露試写会が11日、ユナイテッド・シネマ豊洲で開催され、主演の長瀬と福田麻由子、マイケル・アリアス監督らが舞台あいさつに登壇した。
本作の基になっているのは、ボブ・ディランの名曲から生まれたドイツ映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』。余命を宣告されたふたりの男が、海を目指して人生最期の旅をするロードムービーだ。この日本にも熱狂的ファンを持つドイツ映画の主役を、男ふたりから男と14歳の少女という設定に変え、日本のオリジナル版として生まれ変わらせたのは、第31回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞に輝いた『鉄コン筋クリート』のマイケル・アリアス監督。「余命わずかなふたりの話ではあるけれども、それよりも一生懸命生きていくふたりの話だと思った。設定を男と少女にしたのは、男女の恋愛関係とかを超越した絶対的な絆が描けるんじゃないかと思ったから」と自身の考えを述べた。
余命3日と宣告される主人公・勝人を演じた長瀬は、先日30歳の誕生日を迎えたばかり。「勝人は今までにない役柄で、一味違う表現の仕方で演じ、レベルアップした確信がある。今回の作品は自分の集大成でもあると思う」と自信たっぷりに語った。また、当日着ていたスーツを指差し、「30なのでこういう服も着ていきますが、子供心も忘れず(笑)」とスーツの下からカラフルなサスペンダーを覗かせ、お茶目な一面も披露。ファンからは黄色い声援が飛んだ。
同じく余命1か月と宣告される少女・春海を演じたのは「原作では男になっているのを私が演じて不安だった」と語る福田麻由子。当日駆けつけた『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』のプロデューサーであるトム・ツィクラーから大絶賛を受けると、「本当に単純に嬉しいです」とほっとした面持ちで語った。
“死”という一見重そうなテーマだが、長瀬自身も「死に対する嫌なイメージが扉を叩いて次のステージへと向かうというポジティブなイメージに変わった」という本作。ふたりの主人公が残された時間を力いっぱい爽快に生きていく姿に勇気と希望をもらい、観る者の心をじんわりと温めてくれることだろう。
『ヘブンズ・ドア』
2009年2月7日(土)全国ロードショー
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