
左から、藤原一裕(ライセンス)、USA(EXILE)、山口紗弥加
EXILEのUSAが、唐十郎脚本の舞台「蛇姫様-わが心の奈蛇-」に主演することが決まり、この制作発表が1月8日、新宿村スタジオで行われた。本作は、かつて唐十郎が率いた劇団「状況劇場」で1977年に初演。今回の再演は1978年以来実に30年振りとなるという。この日は原作者である唐、主演のUSA(EXILE)、山口紗弥加、藤原一裕(ライセンス)、演出家・杉田成道が出席。
「『二都物語』という作品で韓国へ渡ったとき、船旅だったんですがテントを船底の方に置いていて、心配だったんでひとりで見に行ったりしていた。その時の鉄板のきしむ音や海のうなりが耳に残っていて、いつかこのことを芝居にしたいと思っていた。それがこの作品を書いたきっかけ」と語った唐。舞台は、朝鮮戦争の終わった頃のとある町。右腕に“蛇のウロコ”を持つ女スリのあけび(山口)と同業の青年小林(藤原)、そしてあけびの探し求める男・伝次と小林のスリの師匠・権八(USA/二役)を中心に、めくるめくイマジネーションの世界が展開されてゆく。
演出の杉田曰く「唐さんが30代の時の作品だけあって、まさに蛇のようにさまざまな台詞が絡み合う、筆が踊っている作品」とのことで、出演者たちは現在長大な戯曲と台詞に挑んでいる真っ最中。「普段体は動かしていますけど頭は動かしてないので、既に煙が出そうなんですが(笑)頑張ります。普段は人のものを盗んだりしませんが、見てくれたお客様の心を盗みたい」(USA)、「台詞が膨大でどうしようと不安ばかり。一昨日、初めて台詞を読みながら鼻血を出しました(笑)。そのくらい高いテンションで頑張っています」(山口)、「なぜ僕がここにいるかわからない(笑)。すごい二枚目の役なんでとまどっています。舞台ではイケてる僕をお見せしたい」(藤原)とそれぞれの意気込みを語った。が、その後唐から「初演は2回公演だったんですが、夜公演が終わったのが朝4時」と聞いて固まる一幕も。
「お客さんの9割は状況劇場を見たことがない人だと思う。その人たちに、いかに唐さんの世界が素敵でファンタジーで、でも人間の切なさを持っているか知らしめたい。戯曲の持つ、壮大な世界観に触れさせたいと思う」と杉田。異色キャストを得て立ち上がる“唐ワールド”に期待したい。
東京公演は2月5日(木)から15日(日)にル・テアトル銀座、大阪公演は2月26日(木)から3月1日(日)にシアターBRAVA!で行われる。チケットは、東京・大阪とも1月10日(土)に一般発売開始。
(取材・文:川口有紀)
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