
佐藤隆太 断髪式
佐藤隆太が主演する舞台「ビロクシー・ブルース」の製作発表が1月15日に行われた。製作発表に先駆け断髪式に臨んだ佐藤の髪に、演出の鐘下辰男、共演の忍成修吾、瀬川亮らが次々とハサミを入れると、佐藤は「ここまで短くするのは4年ぶり。もともと短髪好きなので、久々に短く切れて清々しい。まさに軍隊の訓練所に一歩足を踏み入れることができたと思います」と意気込みを新たにした。
本作は、巨匠ニール・サイモンの自伝的作品で、「B・B 3部作」(『ブライトン・ビーチの回顧録』、『ビロクシー・ブルース』、『ブロードウェイ・バウンド』)の第2部に当たる。自身の軍隊訓練所時代を描き、1985年度トニー賞ベストプレイ賞を受賞した青春群像劇の金字塔的作品だ。日本でも1987年に初上演され、好評を博した。20余年を経ての再演となる今回は、佐藤をはじめ忍成修吾、瀬川亮、中村昌也(D-BOYS)、尾上寛之、南修平ら若手俳優と、内田亜希子、西牟田恵、羽場裕一ら実力派俳優が結集。極限に置かれた人間の内面をリアルに描くことに定評のある鐘下辰男の新演出で、21世紀の青春群像劇として蘇る。
物語は、第二次世界大戦中のアメリカ軍新兵訓練地ビロクシーが舞台。作家志望の青年ユージン・モリス・ジェロームら5人の体験する10週間を描く。鬼軍曹マーウィン・J・トゥーミーの元、地獄のような訓練の日々の中、仲間とぶつかりながら絆を深め、恋をし、自分の夢を見つけていく。戦争や人種問題などシビアな問題を扱いながらも、いつの時代の若者にも共通する苦悩と葛藤の日々を、時におかしく、時に哀しく描いていく。
断髪式後、稽古場会見に臨んだ佐藤隆太は、10年前にデビューを飾ったPARCO劇場にて主役を務めることについて、「素晴らしいチャンスをいただいて凄く嬉しい。あっという間の10年。この10年で得てきたものをちゃんと見せたいのと、この10年で失ったものをもう一度、舞台の上で取り戻したい」と語った。また、話題作に次々に出演し注目を集めている忍成修吾と尾上寛之が、この作品で初舞台を踏むのも見どころのひとつ。「稽古当初は不安だった」という彼らも、「良い仲間に巡り会えた」「稽古も良い雰囲気」と口々に語るほどに共演者とうち解けている様子。息もぴったりの彼らが、羽場裕一扮する鬼教官に鍛えられ成長していくリアルな姿が見られそうだ。
公演は2月2日(月)から22日(日)まで東京・PARCO劇場、2月25日(水)に岡山・倉敷市芸文館ホール、2月27日(金)に福岡国際会場メインホール、3月1日(日)に新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ) 劇場、3月4日(水)に宮城・仙台市民会館大ホール、3月7日(土)・8日(日)に大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!、3月10日(火)に愛知県勤労会館にて行われる。チケットはいずれも発売中。
取材・文:松原正美
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