
『ヘブンズ・ドア』に出演した福田麻由子と主題歌を担当したアンジェラ・アキ
ボブ・ディランの名曲から生まれたドイツ映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』に、新解釈を加えてリメークした『ヘブンズ・ドア』がこのほど完成し、監督、キャストらが来場してのプレミア試写会が26日、都内で行われた。
同作は、余命わずかと宣告された青年と少女が、残された時間を精一杯生きるために、海を目指して逃避行をするというストーリー。松本大洋のコミック『鉄コン筋クリート』を映像化して高い評価を得たマイケル・アリアス監督の初実写作品となる。
満員の観客の前に現れたアリアス監督は「1日も早くこの作品を(皆さんに)届けたかった。愛を込めて作ったこの作品のハートが少しでも伝わるとうれしい」と完成した喜びをコメント。主人公の青年を演じた長瀬智也が「30歳という節目に、あこがれていた作品に出させてもらった。死に対する思いとかリアルに受けたものを、役に託していろいろと考えながら、いいふうに変われたんじゃないかな」と話すと、病気のために外の世界を知らずに育った少女を演じた福田麻由子も「今しかできないことってきっとあると思う。今回の映画も、今しかできないことだと思っている。この少女が今を精一杯生きている姿は衝撃的で、いろいろと感じることがあった」と語り、シリアスなテーマである同作に出演した手応えを感じていた。
さらにイベントには、主題歌を担当するアンジェラ・アキが登場し、自ら訳詞を手掛けたカバー曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」を生で熱唱するというサプライズも。この思わぬプレゼントに、涙を浮かべて演奏に聞き入る観客の姿も見受けられた。
長瀬が「すべてを失った役を精一杯演じた。その姿がメッセージになって、人の何かになればうれしい」とアピールし、福田も「言葉にできないリアルな気持ちが詰まっている。この映画をたくさんの人に見ていただけることはすごいことだと、いま実感しています」と語るように、まさに今の厳しい時代を生き抜いていく人々すべてに贈るこの物語を、ぜひ劇場で感じてほしい。
『ヘブンズ・ドア』
2月7日(土)より、全国ロードショー
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