
「黒革の手帖」制作発表
米倉涼子が夜の銀座に咲く悪女に扮した「黒革の手帖」。2004年のテレビドラマ、2006年の舞台と好評を博したこの作品が、ふたたび明治座の舞台に帰ってくる。3月9日に行われた制作発表では、米倉をはじめ萬田久子ら出演者が艶やかな衣裳でレッドカーペットを歩き、公演の魅力をアピールした。
「黒革の手帖」は松本清張による長編小説で、過去に幾度となくドラマ化された人気作品。銀行に勤めていたOL・原口元子が、ある一冊の手帖を手に入れたことから1億8000万円近くを横領、その金を元手に高級クラブ・カルネを銀座に開き、夜の世界でのし上がっていこうとする姿を描いた物語だ。この物語が松本清張の生誕100年となる記念すべき年に、ふたたび息づくことになる。
制作発表では一般公募で当選した多数のファンが見つめる中、リムジンから降り立ったキャストの面々がレッドカーペットを歩くという、豪華な登場からスタート。その後、場所を移した明治座の劇場内は、銀座のクラブを模したセットでこちらもゴージャスだ。その舞台へ花道から派手に登場した米倉は「恥ずかしい~!」と照れることしきりで、元子のイメージとはまったく異なるキュートな笑顔を見せる。だが会見がはじまると一変、堂々としたそぶりで「悪女というより、悲惨な女のドラマをどれだけ描けるか。2回目ですが初演のときと変わらぬ思いで精一杯やりたいです」と意気込み十分。また悪女の代名詞のように言われる元子だが「私は元子は悪女だとは思っていない。必死に高みに上りたいという気持ちを大事にやっていきたい」と語った。
一新となった共演者もつわものが揃った。議員秘書・安島富夫役に扮する永井大は「歴史ある明治座の舞台に、素晴らしい作品で素晴らしいキャストの皆さんと立てることを嬉しく思います」とコメント。クラブ燭台のママ・岩村叡子役には萬田久子。萬田は1982年のテレビドラマ版にカルネのホステス山田波子役で出ており、その際記念品としてもらったという“黒革の手帖”を披露、「ここには私の男遍歴がびっしり書かれています」と冗談を織り交ぜながら「銀座のクラブで働く女性の生き方をこの明治座に思い切りぶつけたい」と語る。その波子を演じる松本莉緒は「萬田さんをはじめ色々な方がやっておられますが、私も歴史を塗り替えるくらいの勢いで(波子を)堂々と演じたい」、看護師長・中岡市子役の横山めぐみは「華やかなホステスさんをやらせていただきたかった(笑)。私だけが普通の女。女の情念などを演じられたら」とそれぞれ意欲をみせた。
なお、この日の米倉のいでたちである黒地にアザミの着物の姿は、帯留めなどの宝飾類をあわせ総額1億円近くとのこと。このほかにも豪華な着物・ドレスが多数登場する模様なので、そのあたりにも注目したい。公演は4月29日(水・祝)から5月25日(月)まで、東京・明治座にて行われる。チケットは現在発売中。
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