
車“グラン・トリノ”をバックに記念撮影する鳥越俊太郎と徳光和夫
クリント・イーストウッド監督・主演最新作『グラン・トリノ』の特別試写会が15日、都内で開催され、ジャーナリストの鳥越俊太郎とフリーアナウンサーの徳光和夫がトークショーを行った。
同作は、偏屈で頑固な老人・ウォルト(イーストウッド)が、自分の愛車“グラン・トリノ”を盗もうとした隣家の少年・タオと交流を持ったことをきっかけに、人生最後の生きがいを見つけていく姿を描いたヒューマンドラマ。
同作を2度鑑賞したという鳥越は「アメリカがここ10年くらい抱えている問題につながるようなものがたくさん描かれている。オバマ米大統領は“CHANGE”という言葉を使ったが、ウォルトがタオ少年との交流で変わったように、『人も社会も変われるんだ』ということを伝えている」と、ジャーナリストらしい視点で作品を冷静に分析。その一方で、「以前からイーストウッドの大ファンだった」と明かし、「(TVドラマの)『ローハイド』も良かったですし、『荒野の用心棒』や『ダーティハリー』もいい。『パーフェクト・ワールド』を見たときは何度も泣きましたから」と熱く語り出す場面もあった。
鳥越は2005年に直腸ガンであることを告白し、4度にわたる手術を乗り越えてきた。また、徳光は2001年に心筋梗塞で倒れたことがある。「今は健康です!」と口をそろえたふたりだが、病を抱えながら人生最後の幕引きを決断するウォルトの姿が描かれている同作にちなみ、「どんな人生の締めくくり方をしたい?」と質問が飛ぶと、鳥越は「モーツァルトの交響曲第40番を聴きながら、『食うものは食った! 女性もできるだけ知った! 仕事もした!』っていう思いで畳の上で最後を迎えたい。やはり何も悔いがない状態がいいですね」、徳光は「こういう仕事をしてますから、私は劇的な最後がいいなぁ。万馬券を当てて、その額の大きさにショック死してしまうとか。その当たり券を握り締めながら、『この券を孫娘に渡してくれ…』っていう締めくくり方ができれば。そんな感じがいいですよ」とそれぞれ個性的に回答し、会場を沸かせていた。
『グラン・トリノ』
4月25日(土)より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
取材・文・撮影:大小田真
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