
(前列左から)ユースケ・サンタマリア、浅野忠信、北村一輝、(後列左から)細野ひで晃監督、佐津川愛美、南野陽子、ジェロ
宮藤官九郎作の同名舞台を、彼自身の脚色で映画化した『鈍獣』のプレミア試写会が7日、都内で行われ、浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリアら主要キャストと、細野ひで晃監督が舞台あいさつに登場した。
同作は、小説家になった“凸やん”こと凸川隆二と、彼の手によって自分たちのイタイ過去が小説のネタにされることを恐れた幼なじみたちが繰り広げる物語。舞台版は岸田國士戯曲賞を受賞して話題となったが、映画版も不思議な世界観を持った異色作に仕上がっている。
何度殺しても死なないという鈍感な凸やんを演じた浅野は「脚本を読んだらとても面白かったんだけど、読むのと(演技を)やるのでは大違い。凸やんは本当に過激なキャラクターだから。ただ、この作品の前に『劒岳 点の記』という映画の撮影で、長いこと山にこもって、しばらく日常とかけ離れた生活をしていたので、その時のうっぷんを晴らす気持ちで演じました」と役作りのエピソードを披露。また、北村が「不思議な作品だけど、絵コンテなどが用意されてとても分かりやすかった。監督を信頼して演じました」と話すと、ユースケは「細野監督が僕に対して言ったのは『ユー、好きにやっちゃってよ!』だけだった」とうそぶいた。
この日の舞台あいさつには、本作で映画初出演を果たし、挿入歌『流浪の街』も担当した演歌歌手のジェロも登場。撮影現場の様子を聞かれたジェロが「皆さん、割り切って演じていましたね」と答えると、ユースケは「いや、確かに仕事だからさ。みんな割り切って演じていたけど」とやや困惑気味にコメント。すかさずジェロが「あっ、“割り切って”じゃなくて、役に“なりきって”の間違いです」と訂正し、会場から爆笑が起こった。
『鈍獣』
5月16日(土)より、シネクイントほか全国順次ロードショー
取材・文・撮影:大小田真
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