
『ゴールデンスランバー』の堺雅人 (C)2010 映画「ゴールデンスランバー」製作委員会
昨年、本屋大賞と山本周五郎賞をW受賞した作家・伊坂幸太郎の人気作『ゴールデンスランバー』の映画が、来年公開される。監督は、これまで『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』と伊坂作品を映像化してきた中村義洋。『ジャージの二人』『ジェネラル・ルージュの凱旋』で最近、中村監督とのコンビが続く堺雅人が主役を務める。
物語は、堺扮する青柳が、大学時代の親友・森田に呼び出され、いきなり眠り薬を飲まされるところから始まる。ちょうどこのとき、総理大臣の凱旋パレードが行われており、パレード中に総理が暗殺されて、青柳は理由もわからずに犯人に仕立てられてしまう…。仕組まれた陰謀の網をかいくぐって逃げ続ける、巻き込まれ型のサスペンスだ。
本作は、オール仙台ロケで5月11日にクランクインしており、キーポイントとなる撮影が6月7日、8日に行われるとあって撮影現場を訪れた。この日は、青柳の元恋人・樋口晴子役の竹内結子、吉岡秀隆演じる森田、劇団ひとり扮するカズと、大学時代の親友たちが揃う10年前の回想シーンを撮影。現代のパートで青柳の運命を左右する主要キャストの4人が初めて集まる日となった。取材で現場を訪れた7日は、4人が花火大会の花火設営のアルバイトをしている設定で、日中は花火の点火小屋を4人で作るシーンを撮影。
竹内結子は「打合せをしていないのに、それぞれが小屋を作るために何をするのか自然に決まっていて、これがチームワークなんだと思いました」とコメント。中村監督も「別に計算していないのに、4人が醸し出すものが完全に出来上がっていましたね」と語った。これが撮影初日の吉岡秀隆を含めて、初顔合わせとは思えない4人の息が合った感じが、現場に漂っていた。
「これまでは、香川照之さんや柄本明さんなど、先輩方と絡むシーンで刺激を受ける撮影でしたが、今日は同世代の4人で一つの雰囲気を作っていくシーンなので、とても楽しいです」と話す堺雅人も、いい意味でリラックスしていた様子。この青春の1ページが、現代のシーンでどう絡んでくるのかはお楽しみに。7月上旬まで続く撮影でも、彼らのチームワークは、作品に好影響を与えるだろう。
『ゴールデンスランバー』
2010年公開
取材・文:金澤誠
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