
ミュージカル「オペラ・ド・マランドロ」製作発表
日本で翻訳上演されるミュージカルは、ブロードウェイ、ロンドン、ウィーンで作れらた作品がほとんどだが、こういう珍しい例外もある。1979年に初演されたブラジル産のミュージカル「オペラ・ド・マランドロ」。その製作発表が7月2日、東京都内の稽古場にて行われた。
この「オペラ・ド・マランドロ」は、ブラジルを代表するソングライターのひとり、シコ・ブアルキが1979年、ドイツの名作戯曲「三文オペラ」をベースに作曲。ブラジルでは1986年に映画化もされ、日本でも1988年に『三文オペラ リオ1941』のタイトルで公開されている。舞台版は田原俊彦の主演で1990年に日本初演されているが、今回は演出、キャストともにすべて一新した別バージョンでの上演となる。
1941年のリオを舞台に、闇商売で稼ぐならず者のマックスと、彼を取り巻く男女がにぎやかに繰り広げる愛と裏切りの物語。この日の製作発表には、主人公マックスを演じる別所哲也ほか、マルシア、石川梨華、石井一孝のメインキャスト4名が出席した。
主役の別所哲也は「すばらしいブラジル音楽に囲まれた作品。ぼくが演じるマックスを獲り合って、マルシアさんの娼婦マルゴと、石川梨華さん演じる金持ちの娘が戦います。稽古場での女の戦いがすでに熱を帯びていて恐ろしい(笑)。その恐ろしさをぜひ共有してください」。“恐ろしい”と名指しされたふたりは、「この作品が持っているパワー同様、喜怒哀楽のすべてを出して、未来を信じ、前進する。一歩も引きません」(マルシア)、「金持ちのお嬢さんで、頭がいい女の子の役。頭がいい、というところに苦心します。初めてのウェディングドレス姿がありますのでお楽しみに」(石川梨華)と、それぞれに女心をのぞかせた。主人公マックスと幼なじみのタイガー刑事を演じる石井一孝は「猥雑さと底抜けの明るさが同居する大人の作品。新しいものを作りたい」と、日本では珍しいブラジリアン・ミュージカルへの意気込みを語った。終始笑顔が絶えず、出演者の暖かい絆が感じられた会見だった。
公演は、7月25日(土)から8月2日(日)まで東京芸術劇場 中ホールにて上演。その後、8月8日(土)・9日(日)中日劇場(愛知)、8月18日(火)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪)、8月21日(金)電力ホール(宮城)にて上演される。チケットは発売中。
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