
宮藤官九郎、松山ケンイチ、崔洋一監督
白土三平原作の伝説的コミックを実写映画化した『カムイ外伝』の完成披露試写会が22日、都内で行われ、主演の松山ケンイチ、脚本を務めた宮藤官九郎、そして崔洋一監督が舞台あいさつに出席した。
同作は、17世紀末の日本で、階級社会の最下層に生まれ育った忍者・カムイ(松山)の姿を描いた作品。忍の世界を抜け出し、裏切り者として追われるカムイが、愛する人々と触れ合う中で“人間として生きること”の意味を見いだしていく。松山のほか、小雪、伊藤英明、佐藤浩市、小林薫ら豪華キャストが出演する話題作として注目を集めている。
2004年に公開された映画『血と骨』のクランクアップ後、次回作として『カムイ外伝』の映像化を希望したという崔監督は、「今回の企画が決まったとき、『松山ケンイチが演じてくれなければやめておこう』と公言していた。彼の出演作は何本も見ていて、カムイ役はケンイチ以外に考えられなかった。白土先生が『ここに本物のカムイがいる!』とおっしゃってくれたのがとても感動的でした」と、松山の“カムイぶり”を絶賛。それを受け、恐縮気味にマイクを手にした松山は「原作を基にした実写作品で役を演じるのは、すでに完成されたキャラクターを演じるということを意味します。ですから、常にそのオリジナルのキャラクターと向き合っていく必要があって、普通に芝居をする上にもう一つ課題が追加されるような難しさがあるんです。そのため、白土先生が『カムイに似ている』と言ってくださったことは本当に幸せでした」と感慨深げに話した。
また、崔監督は、宮藤の起用理由について「以前から異端児的なものを感じていて、この作品の映像化に力を貸してくれると思った」と語ると、宮藤は「原作は知っていても読んだことがなかったし、実際に読んでみても今まで僕がやってきた作品とは明らかに方向性が違っていた。だから、『なぜオレなのか?』っていう答えを見つけるのに時間がかかりましたね。この作品は“生きることへの執着”がひとつのテーマになっています。それは僕にとって新鮮なものだったし、その答えを探していた時間が、そのまま台本作りの時間になったんだと思います」と充実した表情で語った。
『カムイ外伝』
9月19日(土)より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
取材・文・撮影:大小田真
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