
ユベール・スダーン (Photo by N. Ikegami)
音楽監督ユベール・スダーンのもと、洗練された音楽作りで高い評価を得ている東京交響楽団。その2010-2011年シーズンのラインナップ発表記者会見が10月30日に行われた。
2004年9月よりコンビを組む東京交響楽団と音楽監督ユベール・スダーン。その演奏の充実ぶりは以前にも増して目覚ましく、ミュージック・ペンクラブ音楽賞コンサートパフォーマンス部門受賞(2008年)や、国内オーケストラのトップにランク付けする音楽誌もあるなど、専門家からの評価も軒並み高い。この高評価の理由のひとつがシーズン毎に設けられるテーマ。ハイドン、モーツァルト、シューベルトと、オーケストラレパートリーの基礎となる作曲家をテーマに、明確なコンセプトのある音楽創りを進めてきた。
そして今シーズンのシューマン&ブラームスに続く、2010-2011年シーズンテーマは『アフター・シューマン』。シューマン以降に現れた偉大なロマン派の作曲家たち―リスト、ベルリオーズ、パガニーニ、ブルックナー、ワーグナー、フランク、ショパンなどを取り上げる。各プログラムには、ベルリオーズの『イタリアのハロルド』『テ・デウム』、そして音楽監督スダーンが「大好きな作曲家」と語るブルックナーの交響曲第4番、第5番、第8番、第9番、『テ・デウム』など、ロマン派らしい大曲が数多く並ぶ。
またブルックナーについては10月に最新録音盤『交響曲第7番』もfine NFレーベルよりリリース。東京交響楽団が本拠地とするミューザ川崎シンフォニーホールで収録された本作は、スコアの隅々まで神経を行き届かせた緻密な演奏が圧巻の内容。世界の名門オーケストラを指揮してきた名匠スダーン自ら「東京交響楽団は今や世界のファーストクラスのオーケストラに成長した」と太鼓判を押す。
10月より新楽団長に就任した大野順二も記者会見で「これまでの5年間は基礎固めの時。これからはスダーンさんの目指す音楽を開花させる時」とこれからへの期待と意気込みを語る。音楽監督ユベール・スダーンとの契約も2014年まで延長し、さらなる蜜月を築く東京交響楽団―どのような美しい大輪を咲かせるか注目だ。
東京交響楽団 2010-2011年シーズン『アフター・シューマン』は2010年4月よりスタート。本拠地のミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県)、サントリーホール、東京オペラシティ、東京芸術劇場(以上、東京都)で定期演奏会ほかが開催される。各公演のチケットは2010年1月14日(木)より順次一般発売開始。
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