
『三婆』製作発表記者会見より。左から、多岐川裕美、池内淳子、野川由美子
1961年に発表された有吉佐和子の同名の人気小説を舞台化した『三婆』。1973年に東京・芸術座で初演。以来上演を重ね、今回の博多座公演(4月6日(火)昼の部)で900回を迎えるという名作だ。
金融業社長の浩蔵の急死をきっかけに始まった、本妻・松子と愛人・駒代、さらに故人の妹・タキの3人の同居生活をめぐる物語。奇妙な同居生活の中で繰り広げられる騒動には時に笑い、時にホロリとさせられるが、この舞台の肝は、なんといっても大女優の豪華共演。今回は、4月5日(月)昼の部で出演400回を数え、松子役が当たり役となった池内淳子に加え、妾の駒代を演じる多岐川裕美、小姑・タキを演じる野川由美子という顔合わせで上演する。
「4年ぶりの『三婆』となりますが、今回は多岐川さん、野川さんと新しい顔合わせでの舞台となりますので、初演のような感じで今からワクワクドキドキしています。博多座で400回目の節目の公演を演じさせて頂くことになりますが、同じ公演をこんなにたくさんやらせて頂けることは本当に喜びですね。まだまだ森(光子)さんの『放浪記』にはかないませんが、私も頑張って演じていきたいと思います」と池内淳子が語れば、「『三婆』も初なのですが、実は博多座出演も初めてで、とても楽しみにしております。こんな大人の役は初めてですし、丁々発止のやりとりが多い作品なのでちょっとプレッシャーも感じてますが(笑)、一生懸命に頑張りたいと思います」(多岐川)、「池内淳子さんは大好きな先輩で、今回この舞台で初共演させていただくのが本当に嬉しい。先日映画『アバター』を観たのですが、最初は受け付けなかった外見なんかがテーマを感じた瞬間にとても可愛く見えてきました。今回の3人もワガママで意地悪なところが最初は鼻につくかもしれませんが、テーマをきちんと伝えることでお客様に温かい気持ちを感じて頂けるのではないかと思います」(野川)と、初出演のふたりも熱く意気込みを語ってくれた。
多岐川も語るように、この作品は女性同士の丁々発止のやりとりが絶妙。「松子の意地悪さがうつってくるみたい(笑)。ここは気をつけないと」(池内)、「駒代は本音と建前を見事に表現する女性。これから稽古をしてきたら、もっと新たな発見もありそう」(多岐川)、「タキは頼れるのはお金だけ!という女性。でも60代で天涯孤独になったらこうなるのも解るかも……」(野川)と、それぞれ演じる女性を観察。舞台では三人三様の個性あふれる演技に注目したい。
公演は、4月1日(木)から18日(日)まで福岡・博多座で行われる。その後、5月7日(金)から16日(日)の愛知・中日劇場など全国で上演。博多公演のチケットは電子チケットぴあにて発売中。愛知公演は3月4日(木)に一般発売開始。
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