
スペシャルライブで歌う、貴城けい、樹里咲穂。
貴城けい(たかしろ けい)&樹里咲穂(じゅり さきほ)が実在した結合双生児に扮する、本邦初演のブロードウェイ・ミュージカル『SIDE SHOW』。この会見とファンを招いてのスペシャルライブが、双子にちなみ“平成22年2月22日”、東京・草月ホールで行われた。
作品は2007年公開の映画版も大ヒットしたミュージカル『DREAM GIRLS』の作曲者ヘンリー・クリーガーがナンバーを手がけたことでも知られ、第52回トニー賞(1998年)4部門にノミネートされた。劇中にセリフがほとんどなく全編歌で綴られる本作は、実在した結合双生児であるデイジー(樹里咲穂)とヴァイオレット(貴城けい)のヒルトン姉妹の数奇な生涯を描く。1920年代の米国、ボス(大澄賢也)が開くフリーク・ショウで見世物扱いされていたふたりは、ミュージシャンのバディ(伊礼彼方)に見出され、プロモーターのテリー(下村尊則)の手によりヴォードヴィルの世界へ転身。フリーク・ショウ時代から彼女たちを支えるジェイク(岡幸二郎)が見守る中、歌の上手い姉妹はブロードウェイにも進出し人気を博すが、友情や恋愛を育みながらも大きな運命に翻弄されて……。
この日は、貴城、樹里のほか下村尊則、振付も兼ねる大澄賢也、伊礼彼方が登壇。スペシャルライブは、「曲が素晴らしいので振付のイメージも湧きやすい」と話す大澄による、邪悪な雰囲気漂うナンバー『Come Look at the Freaks』からスタートした。「誰からも指を指されずに街を歩きたい」と歌う『Like Everyone Else』、明るく前向きな『We Share Everything』、「いつも独りじゃない、明日を見つめて歩いていく」と歌いあげる劇的な『I Will Never Leave You』はいずれも貴城と樹里のナンバー。優しい響きの貴城の声と伸びのある樹里の歌声が絡み、会場を大いに沸かせた。また下村も深みのある低音を響かせ2曲、伊礼はコミカルなナンバーを1曲披露した。
ゴスペルからロック調まで幅広いジャンルを取り揃えた曲は全部で50数曲。そのうち貴城と樹里が歌う曲は30数曲にのぼるという。樹里曰く「音楽自体が1曲ずつ歌ってもコンサート的に成立する楽曲が多い」そうで、セリフがない分、曲だけで芝居にアプローチするのは大変なんだとか。またハンデを負った人間の生き様というテーマも難しく、貴城も「普通に生活を営むフリークたちがどういう感情をもっているかを大事に演じていきたい」とのこと。そんなふたりの目下の悩みは結合双生児としてずっと離れずに演じられるか?ということ。大澄から「稽古場では(ふたりを)縛っておきます」と言われると「お願いします!」と声を揃え、元宝塚の先輩&後輩コンビとして息の合ったところを見せた。
公演は4月7日(水)から18日(日)まで、東京芸術劇場 中ホールにて。チケットは現在発売中。
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