
特別試写会に出席した武田鉄矢と山田洋次監督
高倉健主演で1977年に公開された映画『幸福の黄色いハンカチ』が、デジタルリマスターされ、10日から全国順次公開される。山田洋次監督、出演した武田鉄矢が7日、都内で行われた特別試写会にゲストで登場した。出席できなかった高倉も「山田監督、鉄矢君、34年前の撮影当時のことをいろいろと思い出しています。この年月を経て、また上映していただけるのは大変うれしいことです」という祝福の手紙を寄せた。
当時演技経験のなかった武田にとっては出世作で、武田は「30年以上前のことですが、スターの高倉健さん、新鋭女優の桃井かおりさん、そして三流フォークソングシンガーの私が頑張りました。ある意味、私の人生のスタートラインの作品です。注目の新人、武田鉄矢の怪演を楽しんでください」とあいさつ。「監督から『映画をやってみないか』と言われた時はホントにうれしくてね。27歳の若造ですから、何かあるぞと期待していました。でも、撮影が始まったら大変。何度も何度も監督にNGを出されて。しまいには、本番のはずなのに、照明さんが照明を消すんですよ。大変な素人を連れてきたなって、スタッフは絶望です」と振り返り、笑いを誘った。
山田監督は「見込みのない俳優なんていっぱいいますよ。絶望に襲われながらも待って、必ずできると信じて待っていないといけない」と笑い、「この映画を作ろうと思った時のことを思い出しますね。フォークソングを聴いて、樫の木のリボンのイメージがいいなと、企画が浮かんだ。単純ゆえに分かりやすい企画です。映画というのはそういう形が一番いい。時代が変わってやり方も変わってきているが、もう一度基本に戻るのもいいんじゃないかな」と語った。
映画は、刑期を終えて出所した中年男が、ひょんなことから出会った若いカップルに後押しされ、妻の元に帰る様子を描いたロードムービー。ハリウッドリメーク版『イエロー・ハンカチーフ』も、6月26日から全国公開が決定。山田監督は「私の映画をリスペクトしてくれているし、まじめに作ってるなと感心しました」とうれしそうに話した。
『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』
4月10日(土)より、東劇ほか全国順次ロードショー
チケットぴあに掲載されているすべてのコンテンツ(記事、画像、音声データ等)はぴあ株式会社の承諾なしに無断転載することはできません。
Copyright c PIA Corporation. All Rights Reserved.