
『宇宙ショーへようこそ』声のキャストを務めた(左から)藤原啓治、松元環季、黒沢ともよ、生月歩花、吉永拓斗、鵜澤正太郎
ベルリン映画祭などすでに海外の映画祭で高い評価を受けている舛成孝二監督、初の劇場用アニメ『宇宙ショーへようこそ』が26日(土)から公開されるのを前に、声のキャストを務めた黒沢ともよ、生月歩花、吉永拓斗、松元環季、鵜澤正太郎、藤原啓治がインタビューに応じた。
映画は、のどかな田舎町で暮らす5人の子どもたち(黒沢、生月、吉永、松元、鵜澤)が、夏合宿中に学校の裏山で2100万光年離れた惑星からやってきた宇宙人(藤原)と出会ったことをきっかけに、壮大な宇宙旅行と冒険に繰り出す物語。
本作の配役を決めるにあたって、舛成監督は主役陣の声をすべて同年代の子どもたちに演じてもらうため、本格的なオーディションを敢行。当初は「もしダメなら、大人の役者を」との懸念もあったそうだが、キャスト選びに苦労するほど、上手い子どもたちが集まったという。アニメや洋画の吹き替えでファンから厚い信頼を得ている藤原も「子どもたちは生々しくお芝居をしてくるので、こちらも本気でやらないといけなかった」と5人の演技を絶賛する。
もちろん彼らが“登場人物たちと同年代”というのは大きな強みだ。5人の中の最年長で、子どもたちのリーダー・清を演じた鵜沢が「収録中も本当に仲が良くて、映画の中の5人と僕たちは同じような感じでした。映画のような大事件は起こらないんですけど、だんだん僕も清の気持ちがわかってきました」と振り返ると、最年少の生月は「わたしは一番年下で、収録前は緊張していたんですけど、お兄ちゃんお姉ちゃんたちが優しくしてくれました」と笑顔を見せる。読書家で好奇心旺盛な康二を演じた吉永が「この作品で出来た友達は年が離れていても、普通の友達みたいに喋れるところがすごい」と分析すると、すかさず周囲が「おおーっ!」と拍手する場面など、まるで映画の中の5人を見ているようだ。ちなみに彼らは、全員が映画や舞台で活躍するプロの子役たち。単に素朴なだけではなく、しっかりとした演技経験も積んでいるのだ。
壮大な冒険物語を通じて本作が描くのは、子どもたちの繊細な心の動きと友情のドラマだ。倫子役の松元が「宇宙でオモチャ屋さんに行く場面があるんですけど、そこは台本上にセリフがなくてアドリブだったんです。その場面で5人の友情が表現できていると思います。この5人は温かいし、家族みたいな感じです」とコメントすると、夏紀役の黒沢が「カッコいいシーンは本当にカッコいいですし、ケンカしている場面もほのぼのとしているので、そこを観てほしいです」とコメント。藤原が「子どもたちを見ていて、うらやましくなるというか、かつては自分も持っていた“長い時間をかけて作り上げられた結晶”のようなものが見られる作品」と語る本作。リアルな子どもたちが演じたリアルな友情物語が、観客の心にどう響くのか期待したい。
『宇宙ショーへようこそ』
6月26日(土) 新宿バルト9、シネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショー
(C)A-1 Pictures/「宇宙ショーへようこそ」製作委員会
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