史上初。“マルチマテリアル版”とは何か？ 『鉄男』塚本晋也監督が解説 2010/11/2 10:25配信

塚本晋也監督の最新作『鉄男 THE BULLET MAN』のDVDとブルーレイが11月4日(木)に発売されるのを前に、塚本監督がインタビューに応じた。

『鉄男 THE BULLET MAN』は、最愛の息子を何者かに殺害された男が、内に秘めていた怒りで驚異的な姿に変容しながら、事件の真相を求めてさまよう物語。1989年に発表した『鉄男』、1992年の『鉄男II／BODY HAMMER』に続く“鉄男”最新作で、基本的なコンセプトだけを残して新たに生み出された。

観客を非日常の空間に誘い込み、強烈な体験を味わわせる『鉄男 THE BULLET MAN』。だからこそ、ブルーレイ／DVDも通常では考えられない映像特典が用意された。その名も“マルチマテリアル・バージョン”。映画本編の音声を活かしながら、メイキング映像やイメージボード、現場写真などを再構成して作り上げられた“もうひとつの『鉄男 THE BULLET MAN』”だ。「せっかくDVD、そして自作で初のブルーレイを出すので、単なる“おまけ”ではない強い特典にしたかった。そこで、メイキングや映像素材を、映画と同じ長さに凝縮させました」と語る塚本監督。これまでのDVDの映像特典に収録されていたメイキング映像が、映画本編の解説や“ネタばらし”だったのに対し、マルチマテリアル・バージョンは“塚本美学”の真髄を垣間見えることのできる一級資料であると同時に、本編のさらなる謎を喚起し、映画を繰り返し観たくなる欲求をかき立てる内容に仕上がっている。

また、気軽にリピート観賞できるブルーレイ／DVDだからこそ、映画館では伝わらなかったメッセージやディテール表現を発見できるケースもある。塚本監督は「自分の映画は少し説明が足りなかったりするので、1回観ただけでは全部がわからない部分もあるかもしれませんし、理屈じゃなくて“感覚”でわかる部分はあると思いますので、何回か観てもらって想像したり考えてもらったりしてもらうといいかもしれない」と述べ、公開時に爆音で観客のド肝を抜いた本作らしく「ブルーレイ／DVDで観る際も、環境の許す限り大きな音で観ていただいて、おウチでも“鉄男”を暴れさせていただければ」とメッセージを送った。

『鉄男 THE BULLET MAN』パーフェクト・エディション
DVD(2枚組) 4935円(税込)
ブルーレイ 6090円
11月4日(木)発売
発売：アスミック　販売：ハピネット