映画『オムライス』の出演者と木村祐一監督
キム兄の愛称で知られる木村祐一の監督3作目となる新作『オムライス』が、現在開催中の第3回沖縄国際映画祭のLaugh部門で上映され、25日に木村監督、南野陽子、陣内孝則、西方凌、バッファロー吾郎(木村明浩、竹若元博)、藤井隆が揃ってシアターレッドカ―ペーット&舞台挨拶に登壇した。
東北地方太平洋沖地震による余震のなか編集作業をしていたという本作。木村監督は「スタジオが大きく揺れて、怖さと闘いながら作りました。震災のニュースをテレビで見るたびに無力感にさいなまれ、この作品を作る意味はあるのか……と、わけもなく涙が出たこともあった。けれど、完成した作品を見てスタッフから笑いが起きたとき、これか! と思ったんです。笑いがあることで僕自身が救われたように、きっとみんなにも繋がるものがあるはず」と、“エール、ラフ&ピース”をテーマにした今回のチャリティー映画祭の意義を語った。
約70名の吉本芸人をはじめ、名のある俳優たちが出演! という、圧倒されるほどの豪華キャストも見どころで、南野と陣内も木村監督のコメントに続き、「元気がないと人は前には進めないもの。その元気のもとは食べること、寝ること、そして笑いもあると思う。この映画で笑って、パワーをつけて、みんなのために頑張る活力にしてほしい」(南野)。「オピニオンリーダーにはなれないけれど、等身大の協力をしたくて、内田裕也さんにならってドラえもん募金に6万9千円寄付しました。これからもチャリティーに参加していきたい」(陣内)と、それぞれの想いを述べた。また、陣内の妻の母親の実家が福島で被災にあい、現在は親戚の家に避難して無事であることを明かした。そして、大変な状況ではあるけれど、親戚や友人が助け合っているという話を聞き、「家族は最小だけれど、今回のことで日本全体が家族なんだと実感。日本人の気骨さを感じました」と、真剣な面持ちで想いを伝えた。
『オムライス』は、木村監督が街中にあふれる〈モノ〉から想像したものを具現化した、木村監督いわく「40個近くの妄想を羅列した作品。ストーリー性はまったくないです(笑)」というユニークな作品。「建物を見たときにロボットに見えることがあったり、ポスターの誤字を見つけて嬉しくなったり、そういう想像の世界のエピソードが綴られています。観た人は、こいつ(木村祐一)は何を考えているのか? と感じると思う(笑)」と、独自の世界を貫いた作品であることもアピールした。
「第3回沖縄国際映画祭」
3月22日(火)~27日(日)
宜野湾市 沖縄コンベンションセンターおよび周辺地区で開催中
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