
ボローニャ歌劇場『エルナーニ』Photo:Rocco Casaluci
今秋9月に来日するイタリア屈指の名門オペラハウス、ボローニャ歌劇場が、日本公演の演目のひとつで外来オペラ初上演となる『エルナーニ』(ヴェルディ作曲)を5月11日から19日にかけて上演した。
『エルナーニ』は、『椿姫』『アイーダ』など多くの傑作を生み出したイタリアのオペラ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが手がけた5作目のオペラ。ユーゴーの同名の戯曲を題材とした本作は、16世紀のスペインを舞台に、父の復讐のため山賊に身をやつし国王の命を狙うエルナーニを主人公とした恋と陰謀のサスペンスだ。
5月に現地ボローニャで上演された『エルナーニ』は、“これぞイタリア・オペラの真髄”と思わせる、絵画のような美しい舞台美術が登場。1幕の森の場面や、本物そっくりの騎馬像などのイタリア伝統の美麗な古典的美術、ソリストや合唱団の衣装だけでも350着を必要とするなど、細部にまで贅を尽くした舞台といえるだろう。
また日本公演にも出演するディミトラ・テオドッシュウ、フルッチョ・フルラネットなど、今をときめくスターが集った歌唱陣も好演を披露。特にエルナーニの恋人エルヴィーラ役のディミトラ・テオドッシュウは、ドラマチックな声質とコロラトゥーラのテクニックを巧みに駆使し、起伏の激しい旋律と華やかな高音が必要な難役を見事に歌いきった。またスペインの老大公シルヴァ役のフルッチョ・フルラネットも、深々とした豊かな低音と堂々たる存在感のある演技で舞台の要となり、カーテンコールで大きな喝采を浴びた。秋の日本公演ではこの2人に加え、“ポスト三大テノール”のひとり、サルヴァトーレ・リチートラ、実力派バリトン歌手のロベルト・フロンターリらの出演も予定されている。
ボローニャ歌劇場の日本公演は、9月10日(土)・11日(日)にびわ湖ホール(滋賀県)にて、9月13日(火)から9月25日(日)まで東京文化会館(東京都)にて開催。『エルナーニ』のほか、フアン・ディエゴ・フローレス、デジレ・ランカトーレほか出演の『清教徒』(ベッリーニ作曲)、ヨナス・カウフマン、ニーノ・スルグラーゼほか出演の『カルメン』(ビゼー作曲)の3作品を上演する。チケットは発売中。また東京公演は7月2日(土)10時より関係者席開放による3次発売が行われる。
■ボローニャ歌劇場 2011年 日本公演
・東京公演 会場:東京文化会館
「カルメン」9月13日(火)・16日(金)・19日(月・祝)
「清教徒」9月17日(土)・21日(水)・24日(土)
「エルナーニ」9月18日(日)・23日(金・祝)・25日(日)
・滋賀公演 会場:びわ湖ホール
「カルメン」9月10日(土)
「清教徒」9月11日(日)
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