
柴咲コウ
漫画、エッセイなど多方面で活躍中の作家・益田ミリの人気原作を、柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶの初共演で実写映画化した『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』。すーちゃんを演じた柴咲コウが、等身大の自分自身を投影して主人公を表現したことを告白した。
益田の人気四コマ漫画「すーちゃん」シリーズを原作に、仕事に恋愛に人生、悩めるアラサー女子3人の等身大の姿を描く本作。かつてのバイト仲間だった、すーちゃん(柴咲)、まいちゃん(真木)、さわ子さん(寺島)は十数年経っても友情関係を維持しているものの、仕事、年齢、貯金、結婚、妊娠、介護と人生の諸問題がついて回る年頃に――。いくつもの“現実”を扱うため、「完成形が“読みにくい”作品でした」と初動時に戸惑いを覚えたことを明かす。「ただ、今の時代を切り取っているので、共感は得そうだなって思いました。それは自信にもつながりました」と他人事ではない“現実”の数々が後押しになったとも。
すーちゃんの本名は、森本好子、34歳。趣味の料理を活かして、十数年働いたカフェの店長に。年収320万円ちょっと、それなりに仕事は充実しているけれど、ついついひとりぼっちかもしれない将来を考えてしまう。どこかに普通にいそうな女性で、演じた柴咲自身、共感度は高かったという。「それと、わたし自身が撮影に入る前後に、仕事や対人関係で漠然とした不安に覆われている状態だったので、確かにすーちゃんに共鳴する要素はあったと思います(笑)」と意外な告白も。「ちょっと他人の気持ちを汲み過ぎて、疲れていました。だから、それこそすーちゃんのような感覚として、その想いを表現したいなって」。
自身の想いを投影した結果、完成した映画の第一印象が、「恥ずかしかった(笑)」という。「自分の気持ちが透けちゃっていて、いつもは見せない姿が映っていました。臆病で縮こまって、悶々としている姿が“見えちゃってるじゃん!”って(笑)」と赤面状態に陥ったものの、「ただ、その時の自分の気持ちを使わなければ、ウソになりますよね。(恥ずかしいと思うことは、)上手くリンクしたということだとも思います」と仕上がりに満足している。そして、そのリアリティーに満ちた好演で、試写会に参加した女子たちの共感票も集まっているとか。人気女優が素で表現した主人公に、会いに行ってみてはいかがだろう。
『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
3月2日(土)より、全国ロードショー
取材・文・写真:鴇田 崇
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