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三谷幸喜が劇作家としての原点であるニール・サイモン作品に初挑戦 2013/10/8 17:10配信

撮影:尾嶝太

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三谷幸喜が初めてニール・サイモン作品に挑む『ロスト・イン・ヨンカーズ』が、10月5日、東京・PARCO劇場で開幕した。本作は1991年に初演され、ピューリッツアー賞にも輝いた名作中の名作である。

1942年、ニューヨーク州ヨンカーズにあるカーニッツ家。出稼ぎに出る間、息子のジェイとアーティを母親のもとに預けに来たエディ。厳格な母は受け入れようとしないが、エディの妹で、少々おつむの足りないベラに懇願され、渋々ふたりを家に置くことを了承する。それから父親が帰るまでの約1年間、絶対的祖母との共同生活が始まったジェイとアーティ。そこにエディとベラの兄弟のルイやガートも現れて…。

ニール・サイモン作品に出合い、劇作家の道を歩み出した三谷幸喜。三谷自身、「今の僕があるのはニール・サイモンのおかげ」と断言するほど。そんな三谷が、初のニール・サイモン作品を演出するに当たり選び出したのが本作。ふたりの兄弟ジェイとアーティの視点から描かれる家族もので、その中心には常に、決して泣かない冷徹なミセス・カーニッツがいる。それは一見すると、息苦しくも感じられるかもしれない。しかし三谷は、作者が戯曲に散りばめた“笑い”のエッセンスをすべて拾い上げ、おかしくも切ない家族劇へと仕上げた。

ベラ役の中谷美紀はクールビューティのイメージが強いが、今回の役どころは非常にキュート。子供っぽさを全面に出しつつも、女性としての芯の強さも感じさせる。松岡昌宏演じるルイはニヒルながら笑いどころも満載で、そのツボを松岡は的確に押さえていく。エディ役の小林隆はさすがの安定感。三谷の思いを、余すところなく体現する。そしてミセス・カーニッツを演じたのは、1992年にも同役に挑んだ草笛光子。涙を封印した彼女の深い悲しみに、強く胸打たれる。

初日前日には演出の三谷、キャストが登壇しての囲み会見が行われた。今回三谷は、「可能な限り台本通りにやって、その上で笑えるニール・サイモンにすること」を心がけたと言う。また中谷は2度目の舞台ということで、「37歳の新人ですが(笑)、三谷さんの演出により日々成長していくのを感じています」と、確かな手ごたえを感じている様子。「ひとりっ子のA型」という三谷との共通項があることを明かした松岡は、「三谷さんの演出は心地よい」とひと言。すると三谷も「最高の座組み」と評し、「これ以上のメンバーでのニール・サイモンは空前絶後!」と自信に満ちた表情で言い切った。

11月3日(日・祝)まで東京・PARCO劇場、11月19日(火)から26日(火)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、その他、福岡、宮城、愛知、神奈川で上演。チケットは発売中。

取材・文:野上瑠美子

  • 撮影:尾嶝太
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  • 撮影:尾嶝太
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