
浜田真理子 撮影:川野結李歌
1998年にデビュー盤「mariko」を発表以来、島根県松江市を拠点に音楽活動を続けてきた実力派シンガーソングライターの浜田真理子。大学卒業後、OLをしていた彼女は、娘が高校を卒業した40代頃から活動を本格化。映画やドラマなどへの楽曲提供や、久世光彦の音楽舞台で小泉今日子と朗読を共演するなど、独自で柔軟な活躍を繰り広げている。デビュー20周年の昨年は、昭和名曲をカバーしたアルバムでメジャーデビューを飾るなど、充実した活動を展開。そしてこの度、11月2日(土)に「奇跡の音響」と讃えられる東京文化会館・小ホールで「20周年を越えて!」と題した公演を行うことが決定した。
予定演目や公演に向けての意気込みを尋ねると、「最近カバーアルバムを発表したこともあり、私のオリジナル曲とカバー曲を織り交ぜた形のプログラムを考えています。昨年デビュー20周年を迎えましたが、これまでの道のりを振り返ると本当に色々なことがありました。でも、自分の好きなやりたいことだけをやってこれたので、音楽性やモチベーションはあまり変わらなかったかなと(笑)。だから今回も、良くも悪くも“今の私”をお届けしたいと思います」
昨年はピアノ弾き語りのソロで歌う楽しさとともに、苦しさも味わったという浜田。今回は信頼を寄せる仲間、加瀬達(アップライト・ベース)、Marino(サックス)、久保田麻琴(Live Mix)が加わることもあり、持ち前の軽やかさと、しなやかさと、朗らかさがいっそう増した公演が期待される。「私がフリーになった時に久保田さんが一緒にやろうと声をかけてくださり、これまでに3枚のアルバムを作ってきました。彼の仕事はとにかく真面目で誠実。打ち合わせにじっくり時間をかけるし、楽器へのこだわりも強い。加瀬さんとMarinoさんも久保田さんのご紹介で共演するようになりました。皆さん、温かく洗練された音色の持ち主で、共演が毎回楽しみなんです」
11月7日(木)には、浜田の自主レーベル・カメリアレコーズより「Live2017-2019Vol.1」をリリース。今回の公演で先行発売予定なので、こちらも楽しみだ。「このCD久保田さんのプロデュースで、過去3年間に歌ったソロの思い出深いライヴ音源を12曲集めました。他の楽器と共演したバンドサウンドを集めたCD『Vol.2』も計画中で、年内から年始頃のリリースを予定しています」
最後にデビュー30周年に向けた目標を尋ねると、実に彼女らしい素敵な答えが返ってきた。「私には小学生の孫がふたりいて、今回初めて飛行機に乗ってこの公演を聴きにくる予定なんです。彼女たちは楽器を習っていて、いつか一緒に共演しようねと言っていて(笑)。だから、これから10年、その日が来るまで元気に歌い続けていることが目標です」
取材・文:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)
チケットぴあに掲載されているすべてのコンテンツ(記事、画像、音声データ等)はぴあ株式会社の承諾なしに無断転載することはできません。
Copyright c PIA Corporation. All Rights Reserved.