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オペラ的なわかりやすさが魅力、聖夜のメサイア 2019/12/6 16:00配信

鈴木雅明 撮影:源賀津己

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師走のクラシック音楽の風物詩といえばまずは「第九」が思い浮かぶ。でもクリスマスは《メサイア》のシーズンでもある。東京でも、東京芸術大学や立教大学、東京女子大学など、60年から70年近い歴史を持つ《メサイア》演奏会が少なくない。そんななか、2001年に始まったのが、サントリーホールのバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の《メサイア》。今年で19年目。すでに新たな伝統だ。

「うれしいことですね。僕らが普段バッハを演奏していることは知らずに、毎年これだけを聴きに来るというお客様もいらっしゃいます(笑)」(BCJ音楽監督・鈴木雅明)

バッハと同年生まれのヘンデルのオラトリオの代表作。その魅力は「わかりやすさ」だと語る。「非常にまとまりがあって、音楽的にも楽しめる。バッハみたいに複雑な対位法などはありませんから。バッハと同じぐらいの作曲技術はあったと思いますけど、難解なことは避けている。とても巧みで上手いんですね。けっして浅薄ではないですが娯楽的でわかりやすい。その意味では、すでにかなり(次の古典主義の時代の)啓蒙主義的な傾向にあるんですよ」

「メサイア」は救世主のこと。イエスの生誕から受難、復活までを描く。「歌詞は聖書の言葉だけを使っているので、キリスト教の音楽であることは間違いありません。しかしバッハのカンタータや受難曲とはちがって、教会の典礼のための音楽ではなく、あくまで劇場用、演奏会のための作品なんですね。オペラにも似たストーリー性があるのもわかりやすさにつながっていると思います」

一部をカットして演奏することも多いが、BCJは常に全曲演奏で、2時間40分ほど。「音楽も歌詞もつながりがあってできているので、カットすべきところがないんです。ヘンデルの他のオラトリオは平気で4時間を超えますから、それに比べたら非常にコンパクトだと言えます(笑)」

ヘンデルが演奏のたび、おもに歌手の都合に合わせてさまざまな編曲を施したために多くの異版が存在する。BCJも19年の間にさまざまな版で演奏してきたが、あまりそこにこだわる必要はないと説く。「毎年議論はするのですが、ヘンデルが実際にどのように演奏したかがわからないので、どうやっても正統的な演奏にはならないんです。海外で、全部の版を演奏するというプロジェクトもあるらしいですが、そこにこだわり過ぎてはいけないと思います」

つまり、妙に「通」を気取ることなく、ヘンデルの音楽の美しさを素直にじっくり味わうのが正しい楽しみ方のようだ。「実際《メサイア》は、〈ハレルヤ〉などのブリリアントな面だけでなく、じつは非常にしっとりとした部分が多いんですよ。クリスマスはパーティも楽しいですが、そんな美しい旋律、しかもシンプルでわかりやすい音楽を一緒に味わうのも、クリスマスのよい経験になると思います」

取材・文:宮本明

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