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小泉今日子らが熱く演じる。ゴツプロ!『向こうの果て』稽古レポ 2021/4/21 14:08配信

(C)ゴツプロ! 撮影:MASA HAMANOI

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小劇場界で活躍する男性俳優たちが2015年に旗揚げした劇団「ゴツプロ!」の第六回公演『向こうの果て』が、4月23日(金)に東京・本多劇場にて開幕する。その通し稽古に潜入した。

男性ばかりの劇団で、男性ばかりの作品を上演してきた「ゴツプロ!」が、初の女性キャストとして小泉今日子を迎えた本作。ストーリーも、ここ数年は津軽三味線や阿波踊り、民謡(ソーラン節)など日本の伝統的な文化を組み込んだ人情劇の印象が強いが、今作は座付き作家・竹田新(山野海の別名義)書き下ろしの“男と女にまつわる物語”を届ける。演出は山野海。

稽古場に入ると、三味線の音。小山豊(津軽三味線小山流三代目)の生演奏が入る本作で、その音に合わせて小泉が歌を口ずさんでいた。全員70年代生まれのゴツプロメンバーと、小泉、皆川暢二、関口アナンが集う稽古場は落ち着いた雰囲気。時間になると、スッと物語が始まった。今作の舞台は昭和60年の東京。小さなアパートの一室で、雨音の中、小泉演じる律子が、塚原大助演じる公平を静かに刺すシーンから幕を開ける。

物語は、検事・津田口(泉知束)の裁判への準備、つまり律子の取り調べ、そして律子と関わってきた男たちへの聞き取りによって進んでいく。最初の取り調べで、自らを「淫売女」と言い、めんどくさそうに「保険金のために殺した」と自白する小泉(律子)の姿にショックを覚えながらも、なにか、目を離すことができない感覚に陥った。どこにもヒントを見せないのに、違う理由があるはずだと思わせるなにかが小泉にある。しかし、律子と関わってきた男たち(佐藤正和、かなやす慶行、44北川)は彼女のことを「娼婦」「贅沢な女」「残酷な女」と表し、律子と公平の幼馴染である姫昌(浜谷康幸)は「嘘つきな女」と表す。物語が進むほど、逆にわからなくなるような展開が続いた。

後半、津田口の執念によってこの殺人事件の背景にあるものが少しずつ明らかになっていく。その鍵を握るのは、律子、公平、姫昌、そして律子と公平の父親たち(皆川、関口)だ。彼らの抱える複雑な感情が詳細に解説されるわけでもないのだが、芝居と三味線の音によって不思議なほど繊細に伝わってきた。そうやって律子のことを少し知るたびに、冒頭の殺人シーンから続くどんよりと湿った空気に、いびつだが、光がさすような感覚があり、それは公平が律子を表す言葉にも直結していく。最後まで思わぬ展開は続いていき、観た後の余韻が長く続く舞台だと感じた。

『向こうの果て』は4月23日(金)から5月5日(水・祝)まで東京・本多劇場にて。

文:中川實穗

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