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笑いながら息を呑む『物理学者たち』開幕、草刈民代ら緻密な役づくり光る 2021/9/21 17:10配信

撮影:遠山高広

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現在上演中の『物理学者たち』において、開幕2日目の公演を鑑賞した。

スイスの劇作家フリードリヒ・デュレンマットによる戯曲を、ノゾエ征爾の上演台本・演出で立ち上げる本作。とあるサナトリウムを舞台に、自らをニュートンやアインシュタインと名乗る精神病棟の患者と、院長をはじめとする施設スタッフらの会話で構成される。第二次世界大戦での原爆被害も記憶に新しく、ベルリンの壁建設や水爆ツァーリ・ボンバの爆発実験など世界情勢が緊迫した1961年に執筆され、時代背景にあった科学技術をはじめ、"核"をめぐる人間のモラルと欲望が描かれる。

──と説明すると一見難しい作品のように感じるだろう。しかしシリアスな内容の中にはふんだんに“笑い”の要素が盛り込まれており、130分(休憩含む2幕)の上演時間があっという間に感じられた。精神病棟の患者による看護婦殺しの顛末が明かされるサスペンスでありながら、浮世離れした各キャラクターのシュールな掛け合いに客席から笑い声が漏れてくる瞬間も。

草刈民代演じる院長はサナトリウムの責任者であるにもかかわらず、2度目の事件が起こっても悠然と警部(坪倉由幸)に渡り合う底知れない人物。ト書きに「背中の曲がった老嬢」とあることから、草刈はバレエダンサーとして培った姿勢のよさを封じ、背中を丸め杖をつき特徴的なしわがれ声を出すなど、ひと筋縄でいかない人物像をステージ上に立ち上げる。

患者である“物理学者たち”の狂人ぶりは三者三様だ。自称ニュートン役の温水洋一は、ウェーブがかったカツラをかぶって登場。異様に口数が多く殺人現場でも旺盛な食欲を見せ、出オチに負けない存在感を発揮する。自称アインシュタイン役の中山祐一朗は、殺人を犯してもひたすら眠りこけ、好きでもないバイオリン演奏に執心する様子を独特の“間”で表した。

「ソロモン王が見える」と言って施設に15年も入院しているメービウス役には、入江雅人。8月末にリモート見学した稽古より幼児性が増しており、彼の世話係である看護婦(瀬戸さおり)とのマウント合戦はより異彩を放つシーンに仕上がっていた。突然放り込まれる博多弁(福岡県は入江と瀬戸の出身地)やオーバーな英語に笑って油断しているうち、1幕ラストでメービウスが見せる激情に息を呑むだろう。

公演は9月26日(日)まで、東京・本多劇場にて。チケット販売中。

取材・文:岡山朋代

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