
明治座、東宝、ヴィレッヂ。歴史もカラーも異なる三社から、同じ年齢の男性プロデューサー三名が集まり立ち上げた“三銃士企画”。2020年の第一弾公演『両国花錦闘士』に続く第二弾は、『リチャード三世』を昭和の歌謡界に置き換えて描く音楽劇『歌妖曲 ~中川大志之丞変化~』。作・演出を手掛けるのは、舞台に映像と縦横無尽の活躍を見せる倉持 裕。本格的な舞台初挑戦となる中川大志が、主演として初座長を務める。舞台稽古が始まり、「今まさに、出演者全員で芝居とそれぞれの役を創り上げている最中」という中川と共演の松井玲奈、池田成志に本作の見どころや意気込みを聞いた。
中川が演じるのは、芸能界の大手プロダクション「鳴尾一族」の末っ子・鳴尾定。醜い風貌をもって生まれたことから存在を闇に葬られて生きてきた定だが、闇医者の施術により絶世の美男子に変身。“桜木輝彦”として昭和40年代の歌謡界で瞬く間にスターダムに駆け上がるが、一族への強い復讐心から、やがて破滅の道へと突き進んでいく…というストーリー。
タイトルから分かる通り、本作は中川を主人公に当て書きされたもの。『LIFE!~人生に捧げるコント~』で中川を知り尽くしている倉持も「“三銃士企画”の趣旨であるスペクタクルやケレン味にハマる俳優として、これまでに見たことのないスーパーキャラクターを演じられると確信している」と、期待を寄せる。光が強いほどその裏に濃い影ができるように、「“桜木輝彦”として生まれ変わった定のなかに渦巻く愛憎は強く激しい」と感じたと語る中川は「その源を自分なりに見つけ出し、役の持つエネルギーを表現したい」と日々役づくりに励んでいるそう。
また、クセのある登場人物たちが繰り広げる、ケレン味満載のドラマも見どころのひとつ。松井が演じるのは、鳴尾家に怨恨を抱くレコード会社の女社長、蘭丸杏。「杏は、ずっと復讐に燃えている人物ですが、その裏にはきっといろんな感情や経験があるはず。それを自分なりに肉付けして、人間らしい豊かなキャラクターにしていきたいです」と意気込む。また、鳴尾プロダクション社長で、元映画スターの鳴尾勲を演じる池田は、「笑わせようとするのではなく、真面目に演じれば演じるほど滑稽で笑える…、そんな昭和的なドラマを楽しんでほしい」と締めくくった。
劇中の楽曲は、すべて舞台のために書き下ろされたオリジナル。平成生まれの中川と松井には「すべてが斬新」という昭和歌謡の世界をたっぷり楽しめる音楽劇。約1年半前からボイストレーニングを始めたという中川の歌と、3歳から12歳までジャズダンスを習っていたという踊りにも期待したい。
11月6日(日)~11月30日(水)東京・明治座、12月8日(木)~12月12日(月) 福岡・キャナルシティ劇場、12月17日(土)~12月25日(日)大阪・新歌舞伎座にて上演。チケットは発売中。
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