
撮影:新井鏡子
1980年代末~90年代頭のバブル景気時代の、当時最先端のトレンド情報を盛り込んで恋愛やライフスタイルを描いた「トレンディドラマ」は、今見るとかえって新鮮に映るかもしれない。そんなトレンディ感満載のやりとりを繰り広げる香月ケンジ(杉江大志)たちと、彼らの姿を一歩引いて見ている桜庭虹斗(阿部快征)たち。恋に友情に将来への夢、トレンディな彼らの青春模様を描く、ニュートロ⻘春群像劇「トレンディは突然に」が7月13日(木)より開幕する。
杉江と阿部によると、稽古場ではそれぞれが芝居を工夫し、かなりはっちゃけたパワーを見せている模様。なかでも、ふたりは特に亀井祐也役の宇野結也と金井ハル役の瀬戸祐介の芝居がツボにはまっているそう。そこはぜひ、劇場でチェックしてほしいポイントだ。
リアルタイムでトレンディドラマを見ていた世代ではないキャストが演じることを、杉江は「自分の引き出しにあったものを出すのではなく、これまでなかったものを持ってきている感覚」だと言う。かつてのヒットドラマなどを参考にしながら、彼らなりのトレンディらしさを追求しているようだ。
その感じを、阿部は「ちょっとかっこいいなって憧れる」と話す。令和の今の目線からすると、「なんでそうなる?」と突っ込みたくなるような展開やポージングも、「あくまで真剣に芝居をしているからこそ、お客さんにとっては面白い。その微妙なライン見つけるのが一番難しい」と杉江。
それぞれの役柄について、ケンジは「アウトローな部分もありつつ、まっすぐで、熱くて、自分の夢を持っていて、でも恋愛には奥手。いいヤツです」、虹斗は「臆病なところがあって失敗したくないし、嫌な思いをするくらいだったら最初から手を出さない、と恋愛にも消極的」と語り、リアリティのある人間像になっているようだ。
そんな彼らの物語を、「殺陣もダンスも歌もない、芝居だけなのに手に汗握る舞台です。この舞台を観たら、きっと『自分もがんばろう』って背中を押されるはず」と阿部が語れば、「自分の思いをまっすぐ出すことを恥ずかしがってしまう時代だけど、まっすぐ当たって失敗して泥だらけになった姿って、やっぱりかっこいい。この作品でそれを再確認させてもらっています。作品自体は思いきり楽しんでもらえるものになっていますし、新しい感動があるはず。“トレンディ”って何なのかは言葉で語るのも野暮なので、ぜひ劇場で観てほしい」と杉江が締めくくった。
彼らの熱い青春を感じる公演は、18日(火)までシアターサンモールにて。
取材・文:金井まゆみ
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