作品賞は『つぐない』に。オスカーの前哨戦、英アカデミー賞が発表。 2008/2/12 11:15配信

英国で最も権威のある映画賞、英国アカデミー賞が現地時間、10日(日)に発表され、キーラ・ナイトレイ主演の文芸ロマン大作『つぐない』が作品賞を受賞した。その他、今月25日(月)に発表される米アカデミー賞の候補作も多数、受賞しており、オスカーの行方を占う前哨戦として、その結果に注目が集まっている。

数々の有力候補作の中から、今年、英アカデミーが選んだのは『プライドと偏見』のジョー・ライト監督と女優のキーラ・ナイトレイのコンビを組んだ『つぐない』だった。本作は英作家イアン・マキューアンの小説『贖罪』を原作に、想像力豊かな少女の無邪気なおこないをきっかけに引き裂かれてしまう恋人たちの物語を壮大なスケールで描くもの。本作は先ほど発表されたゴールデン・グローブ賞でも作品賞に輝いており、2冠を達成。『ノーカントリー』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と並び、オスカー有力候補としても名を連ねている。

また、主演男優賞は『ゼア・ウィル・・・』のダニエル・デイ＝ルイスが、主演女優賞は『エディット・ピアフ　愛の讃歌』のマリオン・コティヤールが受賞。ふたりとも今年のオスカー最有力候補と目されており、その実力を英国でも証明した。

その他、注目したいのは『フィクサー』の演技で助演女優賞に輝いたティルダ・スウィントンだ。英国演劇界の名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身の実力派だが、映画賞に輝くのは1991年のヴェネチア映画祭での女優賞(デレク・ジャーマン監督『エドワードII』の演技に対して)以来、17年ぶり。『アイム・ノット・ゼア』で実在の歌手ボブ・ディランを演じ、今年の賞レースをリードしていたケイト・ブランシェットを抑えての受賞を果たした。

本年度の英国アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。

・作品賞　『つぐない』
・監督賞　ジョエル＆イーサン・コーエン『ノーカントリー』
・主演男優賞　ダニエル・デイ＝ルイス『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
・主演女優称　マリオン・コティヤール『エディット・ピアフ　愛の讃歌』
・助演男優賞　ハビエル・バルデム『ノーカントリー』
・助演女優賞　ティルダ・スウィントン『フィクサー』
・外国語映画賞　『善き人のためのソナタ』
・アニメーション賞　『レミーのおいしいレストラン』

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