
左からマイケル・スタール=デイヴィッド、マット・リーヴス監督、J.J.エイブラムス、リジー・キャプラン、ドリュー・ゴダード(脚本)
東京ドームを見下ろす場所に浮かび上がった"首のない自由の女神像"、さらに、もぎ取られた巨大な自由の女神の首が突如轟音と共に姿を現す。これはネットでも話題の映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』のプロモーションの一環。何者かに襲撃されたニューヨークの街に、自由の女神像の首が落ちてくるという、予告編で度肝を抜かされた人も多いのでは? 中身が一切明かされない謎だらけの本作同様、プレミア・イベントも前代未聞のものとなった。
4月1日に行われたジャパン・プレミアは、予測不可能なまま進行。作品中で流れる日本人ロックバンド"ムック"のプロモーションビデオを紹介中に、突如「タグルアト」という企業が起こした事故のニュースが流れたり、マジシャン・セロの映像が流れたりする。そして予告編であの自由の女神の首だけが飛んでくるシーンになると、突如轟音が響き渡り、巨大な自由の女神の首が会場に出現するというサプライズが…。
あ然とする観客の前に現れた、プロデューサーのJ.J.エイブラムスはこの宣伝手法について、「最近の映画の宣伝や予告は、あまりに多くのことを語ってしまう。だから驚きや謎を用意して、想像力をかき立てるようにしたんだ」と語る。確かに予告でラストまで見せてしまうものや、面白いところをすべて予告に詰め込んでしまうという映画も存在する。本作はそうした映画に真っ向から立ち向かっている。
アメリカでは観た人が車酔いに似た症状を起こす人が続出したため、映画の前には異例の「警告」が表示される。さらに今回のイベントでは看護士を会場に待機させるという念の入れよう。特別の手法を使った撮影についてマット・リーヴス監督は、「最大のチャレンジだったのは、現実に起こっているようにリアルに撮影すること」と発言。宣伝も映像もまったく新しい領域にチャレンジした本作は、全米では1月公開作品としては『スター・ウォーズ 特別篇』を抜いて、歴代新記録を達成。続編が作られることも決まったが、ひとまず物語の鍵を握るといわれる日本での評価が気になる。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』
4月5日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー
取材・文・撮影:筧みゆき
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