
今年の審査員団のショーン・ペン、アレキサンドラ・マリア・ララ、ジャンヌ・バリバール、セルジオ・カステリット、マルジャン・サトラピ(左から)(c)Kazuko Wakayama
第61回カンヌ国際映画祭が5月14日、フランスのカンヌで開幕した。
今年の審査員団長はショーン・ペンが務め、ナタリー・ポートマン、ジャンヌ・バリバール、アレキサンドラ・マリア・ララなど女優陣、セルジオ・カステリット、アルフォンソ・キュアロンら有名監督など、豪華な顔ぶれが揃った。これから12日間に渡りコンペティション部門の映画を鑑賞し、最終日に賞を選出する。コンペ部門の中には『ミスティック・リバー』でショーン・ペンにアカデミー賞主演男優賞をもたらしたクリント・イーストウッド監督がいるため、記者会見では「イーストウッドの映画を冷静に評価できるのか?」という質問も。そこはさすがのショーン・ペン、「イーストウッドは今まで何本の映画を作った? 俺は1960年生まれでまだ一度しか主演のオファーをされていない。映画を観る目が変わることはないだろう」と質問をバッサリ切り捨て、場内の爆笑を買っていた。
オープニング作品にはブラジルのフェルナンド・メイレレス監督による『ブラインドネス』が選ばれ、ジュリアン・ムーア、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニー・グローバー、そして日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が記者会見と公式上映に参加。国際映画祭の幕開けにふさわしいインターナショナルな作品で、「ほとんどの時間をみんなで一緒に過ごし、休憩時間も共にして映画の中と同じようなチームワークが生まれました」と、サナトリウムに収容された盲目患者のリーダーを演じたジュリアン・ムーアは語る。特異な状況における信頼の崩壊と修復という難しいテーマを扱った作品のため、観客の受け取り方にも差異が出ているようだ。
5月25日まで、世界中から集められた22作品が最高賞パルムドールを競う。
取材・文:平井伊都子
写真:若山和子、Jean-Louis TORNATO
シネマぴあ「第61回カンヌ国際映画祭レポート」
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