
『メルド』で怪人を演じたドゥニ・ラヴァン(中央)(c) Jean-Louis TORNATO
ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ。3人の個性溢れる監督が東京を撮るオムニバス映画『TOKYO!』が、カンヌ映画祭のある視点部門で上映された。
ゴンドリーの作品『インテリア・デザイン』は、東京に引っ越してきた若くお金のないカップル(加瀬亮、藤谷文子)の物語。友達(伊藤歩)の狭いアパートに転がりこみ、住まいを探すうちに、ふたりの間に微妙なヒビが入り始める。カラックスの『メルド』のタイトルの意味は、「糞」。緑の服を着て不思議な言葉を話す怪人(ドゥニ・ラヴァン)が東京の街に出没、パニックを引き起こす。メルドとは彼の名前だ。ポン・ジュノの『シェイキング東京』は、引きこもりの男(香川照之)の人生が、ピザ配達人の女性(蒼井優)に出会うことで変わっていくという物語。
カンヌを訪れている藤谷は「最初に聞いた時は、なんてクレイジーな企画を立てる人がいるんだろうと思った。でも、自分が関わっていなくても見に行くだろうなとも。そんな映画に参加できて幸せです」と今の気持ちを語る。カンヌで初めて本編を見たという香川も「3つの違った映画が1本の作品にまとまっている。事前に打ち合わせをしているわけでもないのに、つながっているところがある。1本の長編映画でもまるで3つか4つのばらばらな映画みたいだと感じることもあるのに。3人の監督に感謝しますね」。
他のふたりのファンだったというゴンドリーは「一緒にプロジェクトに参加できて光栄」、ポンは「また東京で映画を撮りたい。でも、撮影準備で7、8月から東京にいた時は暑くてまいった。もうあの時期には行きたくないな」とコメント。「日本の生ビールは大好き」という彼は、ビールで夏を乗り切ったようだ。
取材・文:猿渡由紀
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO
『TOKYO!』
晩夏、シネマライズ ほか全国にて公開
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