
『シェイキング東京』に出演した香川照之(左から二人目)(c) Jean-Louis TORNATO
パリのレオス・カラックス(『ポンヌフの恋人』)、ニューヨークのミシェル・ゴンドリー(『エターナル・サンシャイン』)、ソウルのポン・ジュノ(『グエムル 漢江の怪物』)が東京を舞台に監督したオムニバス映画、『TOKYO!』がカンヌ映画祭「ある視点」部門で世界初上映された。
ミシェル・ゴンドリー監督の『インテリア・デザイン』には、東京で家探しをする若いアーティストのカップル役として藤谷文子と加瀬亮が主演している。『恋愛睡眠のすすめ』にも通じる、手先は起用なのに気持ちを伝えることに不器用なアーティストの恋を描く。
レオス・カラックス監督の『メルド』は、東京の地下から謎の人物が現れ、東京中をパニックに陥れるという風刺の効いた作品。カラックス監督のデビュー作から3作目の『ポンヌフの恋人』まで主演したドゥニ・ラヴァンが16年ぶりに主演している。
ポン・ジュノ監督の『シェイキング東京』は、「地震」と気持ちの「揺れ」というふたつの意味が込められている。ジュノ監督が『ゆれる』(西川美和監督)を観て決めたという香川照之が引きこもりの男性に、彼が一目惚れする少女に蒼井優が扮している。
昨年の撮影前に会って以来のカンヌ集合となった監督と主演俳優たちは、お互いの作品を興味深く鑑賞したようだ。「僕らはそれぞれ違うモチーフを使っているけれど、都会の孤独を描いているように思う。トウキョウの街はみんな、近くて遠い距離感で暮しているような気がした」(ミシェル・ゴンドリー監督)と、図らずも共通点が生まれたようだ。世界でも注目を集めるユニークな監督たちによる東京観をお楽しみに。
取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO
『TOKYO!』晩夏、シネマライズ、シネ・リーブル池袋ほか世界先行ロードショー
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