
会見に登場したマドンナ 撮影:平井伊都子
今年のベルリン映画祭で初監督作品を上映し、映画業界への進出目覚ましいマドンナがプロデューサーとナレーターをつとめたドキュメンタリー作品『I am Because We are』(原題、監督:ネイサン・リスマン監督)がカンヌ映画祭で上映された。
アフリカ・マラウイの孤児問題を扱ったドキュメンタリーで、ビル・クリントン元アメリカ大統領も出演している。「マラウイに興味を持ち始めたのは養子のデヴィッドに出会ってから」とマドンナは語る。マドンナは2006年にマラウイで当時1歳のデヴィッドくんの養子縁組を求めていたが、縁組が認められるまで里親と養子は国内に留まらなくてはいけないという同国の法律に反するとして訴えられていた。現在は養子縁組も認められ、デヴィッドくんは映画監督のガイ・リッチーと二人の子供とともに一緒に暮している。上映後の記者会見ではそのときのことにも触れ、「あのときは大変な思いをしたけれど、今は幸せに暮らしているから笑い飛ばすことができるわ」と精神力の強さを見せつけた。マドンナはこのドキュメンタリーを撮るにあたり、『華氏911』のマイケル・ムーアに相談したという。
一方、数日前には“審査委員長主催特別上映”として、2004年12月にスマトラ沖で起きた地震によるインド洋津波に関するドキュメンタリー『The Third Wave』(原題、監督:アリソン・トムソン)も上映された。上映にはU2のボノとショーン・ペンが立ち会い、会場の数時間前から大勢の観客が劇場の前に並び始めたほどの大盛況を収めた。
かつて夫婦だったマドンナとショーン・ペン。ふたりがカンヌ映画祭でドキュメンタリー作品を上映するとは、不思議なつながりを感じざるを得ない。『I am Because We Are』はこの後、マイケル・ムーアが故郷ミシガン州で開催しているドキュメンタリー映画祭にて招待上映される。
取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO
【第61回カンヌ国際映画祭特集】
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