
初監督作をもって登場したナタリー・ポートマン (C)Kazuko Wakayama
ナタリー・ポートマンが、監督デビュー作を引っさげてヴェネチア入りした。『イブ(原題)』というタイトルのその作品は、上映時間21分の短編。
「16年間、女優として映画作りに携わってくる中で、いろいろな監督からよく『多くの違った監督の仕事ぶりが見られる君がうらやましい』と言われたわ。普通、監督は、別の監督の仕事を間近では見られないでしょう? 今度は自分で彼らがやっていることを体験してみたかったし、作品に自分の視点を反映できる作家という立場になってもみたかったの」。
自分で出演はせず、あくまで監督に徹している。主な登場人物は若い女性と彼女の祖母、そして祖母が最近つきあい始めた老紳士。
「祖母と老紳士の恋愛の側面は、祖母と主人公の女性の関係を描くためにやったこと。彼女にもいつか訪れるその世代の女性が、今もまだ美しく、男性の心をとらえていることを見せたかった。孫と祖母の世代には、その中間にあたる母親の世代よりも、似ているものがあると思うの。真ん中の世代はヒッピーの世代で、その前と後の世代は、反感をもっていたりするから」。
「これまで仕事をしてきたすべての監督から影響を受けた」というが、中でもアンソニー・ミンゲラは特別な存在。
「撮影開始の前日に、彼は亡くなったの。ショックで、撮影を進めるべきかどうか悩んだくらい。でも彼のためにもやろうと考え直した。彼は、ケータリングのスタッフの息子の名前を覚えているくらい、誰にでも優しく、寛大な人だった。撮影現場というプレッシャーだらけの場にいてもね。そんな態度を私もぜひ見習いたいと意識していたわ」。
取材・文:猿渡由紀
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