
会場は、あたかもショールームのようにプロダクト(製品)が並んでいる
7月20日(月)まで、府中市美術館で開催されている展覧会「純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代-機能主義デザイン再考」が、静かな人気を呼んでいる。
ディーター・ラムスとは、「ひげ剃り」で知られる電機メーカー「ブラウン社(BROWN)」で1955年以来40年以上、製品のデザインを手がけてきた、ドイツ人のデザイナー。この展覧会は、ブラウン社の製品を中心とする、ドイツのプロダクト(製品)デザインを紹介している。
会場は、あたかもショーウィンドーのようにスペースが区切られ、数々の商品が置かれている。美術館というより、どこかのショールームに迷い込んでしまったよう。多くの人が眺めているプロダクト(製品)は、実用的でありながらシンプルなものばかりだ。ラジオ、ポータブル・レコードプレイヤー、カメラの外付フラッシュ、テレビ、コーヒーミル、そしてひげ剃り・・・・・・。
人々がモノに対して、「デザイン」という美しさを求めはじめたのは、20世紀初頭あたりから。展覧会場では、バウハウスをはじめとするデザインの歴史をなぞりながら、ラムスが20世紀にブラウン社で手がけた電化製品を紹介し、現代のプロダクト(製品)デザインへ、という流れがとられている。彼の理念が、現代の私たちが手にする多くの製品(会場最後の部屋で見ることができるiPodなど)にも受け継がれていることに気づかされる。
デザインとは何か、という究極の命題が突きつけられた展覧会。だからといって、デザインに興味を持たなくても、シンプルで使いやすそうなプロダクト(製品)に惹き付けられることだろう。会場に並べられた300点以上のプロダクト(製品)にも圧巻だ。入場料は一般800円、高校生・大学生400円、小学生・中学生200円。
なお、同じく7月20日(月)まで、美術館内の公開制作室では、写真家の鷹野隆大「記録と記憶とあと何か」を開催中。公開制作室を現像の現場である「暗室」に作り変える。写真撮影、現像(プリント)、展示までのプロセスが公開される。観覧無料。
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