夏休みは親子揃ってオペラデビュー! 新国立劇場が贈る愛と冒険のファンタジー 2009/7/23 17:40配信

新国立劇場の子ども向けオリジナル・オペラで、これまでに通算1万人以上を動員している人気作『ジークフリートの冒険～指環をとりもどせ！』が今年の夏も上演。初日公演を翌日に控えた7月23日、新国立劇場 中劇場で公開舞台稽古が行われた。

本作は、上演に約15時間を要する史上最大規模のオペラ、ワーグナー作曲『ニーベルングの指環』(全4部作)を題材に、三澤洋史の編曲、マティアス・フォン・シュテークマンの台本による全1幕・約1時間のオリジナル舞台作品。2004年夏に新国立劇場での初上演で大成功を収め、これまでに延べ1万人以上を動員している。さらにオペラの本場ヨーロッパにも逆輸入され、ウィーン国立歌劇場やチューリッヒ歌劇場での公演も絶賛を浴びた。

物語は、国王ヴォータンの娘で永い眠りにつくブリュンヒルデに恋したスーパーヒーローのジークフリートが、彼女に捧げる黄金の指環を探す旅に出るという冒険ファンタジー。台詞・歌ともに日本語での上演で、子どもたちがストーリー展開を追いやすい丁寧な台詞回しと、原作『ニーベルングの指環』のメロディを巧みに用いた音楽が絶妙にブレンドされた内容だ。

23日に行われた舞台稽古には、リハーサル見学に大勢の子どもたちが集まっていたが、登場人物たちがステージ上だけでなく客席スペースも自由に動き回る臨場感溢れる舞台に、子どもたちの目は釘付け。またオペラの醍醐味である歌手の美声やオーケストラの演奏が間近で体感できる迫力の内容とあって、カーテンコールで登場人物たちに一生懸命に手を振る子どもたちの姿が印象的だった。

ジークフリート役の経種廉彦は「ジークフリートの冒険は、子どもたちに楽しんでもらえる舞台で、親しみやすいメロディにあふれています。僕の子どもも舞台を観たあと、すぐ気持ちよさそうに鼻歌を歌ったくらい。でも出演しているのは新国立劇場などのオペラで活躍し、歌唱力、演技力ともに優れた芸達者な歌手ばかりで、音楽、舞台美術、どれをとっても “本物の力”を備えていると胸をはって断言できます。『オペラなんて難しすぎて分からないのでは？』と心配な方も、ぜひ友だち同士や家族一緒に来てください。“本物の力”を溜め込んで待っています」と語った。

本格派のオペラ公演の場合、上演時間が大抵3時間を越えるものばかりで、未就学児童が入場できないことがほとんどだが、この『ジークフリートの冒険』は4歳から入場可能で、チケット料金も2100円とリーズナブル。また、会場の新国立劇場には託児室も完備されており、親子一緒、家族揃っての舞台観劇にピッタリ。

新国立劇場こどものためのオペラ劇場『ジークフリートの冒険～指環をとりもどせ！』は、7月24日(金)から26日(日)の3日間、新国立劇場 中劇場にて開催（各日とも11時30分開演／15時開演の2回上演）。チケットは好評発売中。