
新国立劇場オペラ「オテロ」9月20日 舞台稽古より
9月20日(日)からスタートする新国立劇場オペラ2009/2010シーズン。その開幕を飾る『オテロ』の公開舞台稽古が同劇場オペラパレス(東京・初台)にて17日に行われた。
『オテロ』は、シェイクスピア四大悲劇のひとつ『オセロー』を題材に、イタリアの大作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが晩年に手がけたオペラ作品。物語は15世紀のヴェネツィアを舞台に、軍の総督である英雄オテロが、旗手イアーゴの奸計に落ち、妻デズデーモナの貞節を疑って殺害。後に妻の潔白を知らされ、自害するという展開で、ドラマチックなオーケストラと合唱で人気の傑作だ。
今回タクトを握るのは、イタリア人指揮者のリッカルド・フリッツァ。新国立劇場では、2005年の『マクベス』と2008年の劇場10周年記念公演『アイーダ』、ヴェルディ2作品を指揮し、その評価は高い。今回の『オテロ』舞台稽古でも、ピットに入った東京フィルハーモニー交響楽団を巧みにコントロールし、ヴェルディのドラマチックな音楽表現と彼の手腕が非常に相性の良いことを実証してみせた。
演出はイタリア演劇界の人気演出家で映画監督でもある奇才マリオ・マルトーネ。ステージ上を水で満たし、ヴェネツィアの港を再現した舞台装置を用いつつ、ワンシーンごとの緻密な演出を施した舞台作りは、まさに映画監督ならでは。また歌手陣も本番を間近に控え、充実の完成度を披露。猜疑心に苛まれる心の襞を生々しく歌いきったオテロ役のステファン・グールド、次々と計略を仕掛けてオテロの猜疑心を煽る奸臣イアーゴを演じたルチオ・ガッロ、夫オテロを一途に愛し続けるも不幸な最後を遂げる妻デズデーモナ役のタマール・イヴェーリ。特にこの3役の歌唱は見事で、20日からの本公演を期待させる舞台稽古となった。
イタリア・オペラの最高峰のひとつであり、今年7月に逝去した故・若杉弘(新国立劇場オペラ芸術監督)が、任期最後のシーズンの幕開けとして選んだ『オテロ』。本公演は9月20日(日)より新国立劇場オペラパレスにて全6公演を開催。チケットは好評発売中。
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