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来年の話題作として映画ファンの期待を集めているティム・バートン&ジョニー・デップの黄金コンビ作『アリス・イン・ワンダーランド』。現在、ポストプロダクションで大忙しのティム・バートン監督が、作業の合間を縫って、L.A.のスタジオで本作について語ってくれた。
映画は、いわばティム・バートン版『不思議の国のアリス』。だが、ルイス・キャロルの原作を忠実に映像化するわけではないらしい。原作と今回の映画化についてバートン監督は「『不思議の国のアリス』は、今の世の中でアイコン的なタイトル。人はあの本そのものを自分で読むというよりも、バンドの歌から聞いたりすることのほうが多いはず。読んでみるとわかるけれど、実はあの話はややバカバカしいところがあって、ひとつの筋がしっかり通っているわけでもない。それで今までの映画版にも、そこが欠けていたんだ。今回のバージョンで、僕はキャラクターをもっとしっかり構築し、深さを加えようとした。原作の精神に忠実でありつつ、フレッシュなものにしたかったのさ」と語る。
原作だと“少女”のイメージが強い主人公アリスだが、映画では19歳。結婚も考えている若い女性という設定だ。「19歳というのは、社会からのプレッシャーを感じている、大事な年齢。大人でもあり、子供でもある年頃だ。『オズの魔法使い』やほかのおとぎ話でも、主人公は自分の心に抱える問題を解決するために冒険を体験する。アリスもこの冒険を通して強くなり、自分はどういう人間かを知るんだ」。
アリス役に選ばれたのは、現在20歳のオーストラリア人ミア・ワシコウスカ。これまでにダニエル・クレイグ主演作『ディファイアンス』や、ヒラリー・スワンク最新作『Amelia(原題)』に出演している。彼女を囲む共演者には、ジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム=カーター、マイケル・シーンなど豪華な顔ぶれがそろう。やはり気になるのはジョニー・デップだが、バートン監督は「ジョニーと僕がキャラクターを創造する過程は、毎回違う。お互いにスケッチをしてみたり、参考になるものを挙げたりするけれど、ひとつ特定のものを参考材料に提案したりはしないよ。それに限定させられるようなことを彼は嫌うからね。だから僕らはいつも抽象的な話し合い方をする。その結果どんなものが生まれるのか、僕はいつも楽しみだよ」と言う。
ティム・バートン&ジョニー・デップの最新コラボレートがどんな形に結実しているのか、期待して待ちたい。
『アリス・イン・ワンダーランド』
2010年4月17日(土)より全国 ロードショー
取材・文:猿渡由紀
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