
ピエタリ・インキネン
今春、日本フィルハーモニー交響楽団が12年ぶりに取り組むプロジェクト、シベリウス・チクルス(交響曲全曲演奏会)に先駆け、3月13日に杉並公会堂で公開リハーサルと記者会見を開催。プロジェクトを指揮するピエタリ・インキネンが登壇した。
日本フィルといえば、楽団創設者・渡邉曉雄とともに日本におけるシベリウス演奏史で多大な功績を残してきたことは有名。「(日本フィルに初めて来たとき)最初に手渡されたのが、渡邉先生指揮のシベリウス交響曲全曲録音CDでした。日本フィルとはシベリウス作品で何度か共演しましたが、音楽性を非常に理解していることが分かったので、今回も楽しみ」と抱負を語る。
チクルスでの注目は、演奏順と作品の組み合わせ。最もオーソドックスなのは番号順だが、今回は初回が1番と5番、2回目が4番と2番、3回目が3番・6番・7番。インキネンなりの音楽的意図が隠されていることは想像に難くない。
「作曲の時系列に従って演奏するという選択肢もあります。ただ、1番と2番はともにロマンティックな作風で長大な作品。その後も、3番・4番と続けると全体のバランスが悪くなるように感じます」と語るインキネン。「3番以降、徐々にスタイルに変化が見られ、特に4番は全く作風が違ったものになります。この特別な4番を人気の高い2番と一緒に聴いてもらいたいと考えました。あと、6番・7番は同時期に作曲され、似たところのある作品。一緒に聴くと面白いと思います」とコンセプトの一端を明かす。
2009年より日本フィルの首席客演指揮者を務め、マーラーの交響曲などで巧みな音楽作りで評価を得ているインキネン。今後、ミュンヘン・フィルともシベリウス作品で共演を控えるなど、世界の名門オケも実力を認める俊英が、どのようなシベリウスを聴かせてくれるのか。日本フィルハーモニー交響楽団「ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルス」は、3月15日(金)のサントリーホールを皮切りに全6公演を開催。
会見では、日本フィルとインキネンの今後の共演予定も発表。9月6日(金)・7日(土)の東京定期演奏会は、ワーグナー生誕200周年記念として「ワルキューレ」第1幕(演奏会形式)。また恒例の九州公演の第39回(2014年2月)の指揮も担当することが決定している。
■日本フィルハーモニー交響楽団 ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルス
【I】
3月15日(金)19時開演 サントリーホール
3月16日(土)14時開演 サントリーホール
交響曲第1番、第5番
【II】
4月19日(金)19時開演 サントリーホール
4月20日(土)18時開演 横浜みなとみらいホール
交響曲第4番、第2番
【III】
4月26日(金)19時開演 サントリーホール
4月27日(土)14時開演 サントリーホール
交響曲第3番、第6番、第7番
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